第一話 「心の中はハイテンション」

ある日、天神をぶらぶらと。
今泉にある古めのアパートの入り口に心惹かれる。
雰囲気のある小さな木の看板に目をやると、「民芸品と郷土玩具」「やまさコーポ101」とだけ描かれていて、お店の名前はまだよくわからないけれど、そのアパートに足を踏み入れてみることにした。

だいたいアパートやマンションの101号室は1階の角部屋。
ということで、すぐにお店の玄関を発見。

暖簾をくぐると、そこはもう別世界。

可愛くて素敵な子達の魅力にトキメク。

感情はあまり表に出さないけれど、心の中はハイテンション。

とても笑顔が素敵な男性店員さんがひとり。
店内はいい感じの音楽とお香と、キシキシとなる床。
懐かしくなって、おじいちゃんの家みたい。居心地がいいな。

「こんにちは」と店員さんが話しかけてきたが、人見知りの私は頭を少し下げ、「こ、ん、にちは」と自分でも聞き取れないくらいの声で答えた。

今年の干支が申だからか、申の張子や人形がいっぱいある。

「扇子申」

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岡山県倉敷、道楽かん工房

約20センチくらいの大きさで、手に持ってみると、とても軽い。肌触りがとても気持ち良くてぬくもりを感じる。ようこそようこそ。可愛いなー。

「さる面」

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兵庫県須磨、須磨張子

みんな違ってみんないいなー。
愛らしい顔付きで、みんなと目が合うからなんだか照れてしまうよ。緑のアイシャドーがポイントだね。

「寒水のガラガラ」

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佐賀県神崎、佐賀一品堂

土鈴で優しい音色。
鮮やかな赤色がとてもいいね。顔つきがみんな個性があって、可愛いなー。一度は作られなくなってしまったそう。けれど郷土玩具収集家の方が持っておられた人形を元に復元したそうですよ!奥がとても深いのです。

店員さんが丁寧にいろんな事を教えてくれ、あっという間に気がつけば時間が経っていて、まだお店の半分も見てないけれど、次の楽しみにとっておこうか。

また頭を少し下げ、

「ありがとうございました。またあした。」

そう言ってお店を出た。

しかし、お兄さんどこ出身だろうなー。。。
すごいなまってたなー。。。
あの子可愛いかったなー。。。

と帰り道はお店の事で頭がいっぱいで、ニヤニヤしていたら、自転車に乗った男の人とぶつかりそうになった。

ニヤニヤしてたのみられたかな。
あぁ恥ずかしい。

けれど家に帰りつくまで終始ニヤニヤしていた「アキ」でした。

つづく