第八話 「1周年」

2015年4月27日

あれから一年。

あれからって?

山響屋がオープンしてからね。

今日は祝い酒を持って、いつもより少し、いや、だいぶ嬉しい気持ちで、暖簾をくぐる。

「どうもー。」
「きたね。」

「1周年、おめでとうございます!これ、どうぞ!」

「おー!ありがとう!!うれしかねー、ほんとありがとう!またお酒ってのがね、分かっとるね!笑」

「1年、あっという間ですよねー、!でも瀬川氏と会ったのはもう2年くらい経ってる感じっすよ!」

「ほんと、それね!キョウイチくん、初めてお店来た時もだいぶ喋ったろ!?インスタ見てからやったっけ?!」

「そうです、そうです!いやー、待ってました!っていうお店ができて、本当に嬉しかったです!ありがとうございます!2年目の山響屋期待してますよ!!」

「任せちょって!!これからも楽しいことやってこーや!」

「はい!! そして、この水槽なんすか?」

「OSVよ!OSV!まぁまぁ、追い追いね!」

「追い追いか、気になる…。あ!節句ですねー!」

岡山県倉敷、道楽かん工房

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左から、
イヌ、うさぎ、くま、金太郎、きじ、鬼
一押しは金太郎かな!?
可愛いから一年中飾ってられるね。

「節句やねー!てかキョウイチくん、GWは?」

「僕はカレンダー通りですね!」

「何するか決まっとると?」

「そんなに予定入ってないですけど、あ、でももしかしたら、アキちゃんとご飯行くかもですけど、一緒どうですか?予定あえば!」

「お!まじでー!でも僕も予定あってさー、せっかくやし2人で行ったら?!てかアキちゃんとだいぶ仲良くなっとるし!いつの間にか!」

「家が近所なんで、みんなで飲んだあと一緒帰ったりするんでですね!アキちゃん、結構暇みたいなんで、笑 僕の性格の女性版!みたいな感じで、いいんですよ!笑」

「失礼やな!笑 でも似てるっていいよね!分かり合える仲ってさ!それが友達でも恋人でも家族でも!」

「そうですね!山響屋の常連なって、たくさん仲間できました!」

「おばけの金太」

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熊本県熊本

加藤清正が熊本城を築く際、風貌が滑稽で冗談を言って周りの人を笑わせていた足軽の金太という人物をモチーフにしたもの。
ほら!紐を引っ張ると、誰もが笑っちゃうね。

「おてもやん」

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熊本県熊本

おてもやんを探せ!
おてもやんサンバを皆で踊ろうよ。

「想いがいっぱい届きますように。」

帰り道、ビルの隙間から見える夕焼けのグラデーションが、あまりにも綺麗で、キョウイチは誰にも聞こえない声でつぶやいた。

つづく