第十三話 「夏よコイ」

街はお祭り騒ぎで、人がわいわいがやがやと。

人混みが苦手な私は人混みが苦手なキョウイチくんと、人混みに流されないようにと、いそいそと冷泉荘へと向かう。

今日は第4回 郷土玩具の会。
福岡 博多張子の絵付け体験!

前回とはまた違った雰囲気で!

博多張子の姫だるまか男だるまを選んで…

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顔が微妙にわかるのがツボ!
可愛いなー!

みんな黙々と自分色に。

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私は男だるまをキョウイチくんは姫だるまを選んだ。

最初に筆をいれる瞬間はいつでも緊張する。

先生は三浦隆先生。

家業として張子制作を継いで5代目。

三浦さんのお話を聴いて、俄然やる気が出てきたぞ!なんてキョウイチくんが言うもんだから、私もそんな気がして、緊張していた手もいつも通りに、勇気を出して最初の色をつけることができた。
それ以降はやっぱり楽しさが上回ってさ、思うままに筆を動かせたんだ。

あっという間に時間は経って、前回同様、みんなで記念撮影〜!

今回も楽しかったなーとみんなと解散し、私はキョウイチくんとまた人混みをかき分けた。
かき分けた先には山笠が。
舁き山をやっていて、迫力満点でとてもかっこよかった。

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何も知らないその先にはいいこともあるんだなーなんて思った。

横をふとみると、楽しそうなキョウイチくんの横顔に、なんでかな、少しだけ照れた。

なんでかな。

博多の街は夏の香りでいっぱいで、私の心はキョウイチくんでいっぱいになっていたことにようやく気づいた。

つづく